CBNホイールとは

CBNホイールは、立方晶窒化ホウ素(CBN)を主要な砥粒として使用する研削ホイールです。CBNは、ダイヤモンドに次ぐ硬度を持つ物質として知られ、特に鉄や鉄合金などの材料の研削に適しています。また、CBNは高温に対する耐性が高いため、熱を多く発生させるような研削条件や、熱による影響を気にせずに研削できる材料に適しています。

熱安定性

CBNホイールの最大の特徴の一つは、その熱安定性にあります。研削作業中には摩擦による熱が発生します。CBNの特徴として、高温にも変質しづらい特性を持っています。ダイヤモンドは600℃以上の熱で黒鉛化が始まり、1000℃以上になると燃えて二酸化炭素になりますが、CBNは900℃でも特に変化は見られず、1100℃でごく細かい傷ができるような損耗がみられる程度です。研削中の摩擦から生じる熱にも影響されにくく、特に炭素との相互作用が少ないため、炭素を多く含む鉄系の材料を研削する際にもその性能を発揮します。

CBNホイールの被削材

CBNホイールは、その高い硬度と熱安定性を活かして、多様な被削材の研削に使用されます。特に以下のような材料に対して、CBNホイールが使用されます。

適用素材と加工物

素材名加工物
工具鋼高速度鋼各種切削鋼具、ペーンポンプ部品、圧延ロール
合金工具鋼各種切削鋼具、マイクロメータースピンドル、アンビル
ダイス鋼金型、金型ガイドピン、ガードレール切削刃、タペットシムゲージ、圧延ロール、ロール機部品
炭素工具鋼ナイフ、カミソリ、鉛筆削り機の刃
構造用合金鋼炭素鋼カムシャフト、ミシン部品
クロムモリブデン鋼
ニッケルクロム鋼
バルブロックアーム、ギアボックス、歯車、スパイダーカップ、燃料噴射ノズル、圧延シリンダ、プランジャーポンプのピストンカム、電算機周辺機器周辺部品、ミシン部品
ニッケルクロムモリブデン鋼
アルミニウムクロムモリブデン鋼
クロム鋼
クランクシャフト
金型、ペーンポンプ部品
歯車
軸受鋼ベアリング鋼ベアリング
鋳鉄ねずみ鋳鉄、その他オイルシール、カムシャフト、コンプレッサ部品
耐熱合金インコネル、その他ジェットエンジン部品

結合剤(ボンド)の種類

研削ホイールの性能は、砥粒だけでなく、それを固定する結合剤(ボンド)にも大きく影響されます。結合剤は、砥粒をホイールの基盤に固定し、研削中の砥粒の保持や放出を制御します。以下は、主な結合剤の種類とその特長についての説明です。

ボンド種構造特徴
レジンボンド・マトリックス構造
 樹脂(フェノール系、 ポリイミド系)ボンド
・砥粒を弾性的に保持し、使用時に当たりがソフト
メタルボンド・マトリックス構造 金属 (銅、錫など)ボンド
・砥粒を強固に保持
・耐熱性が高い
ビトリファイドボンド・ブリッジ構造 ガラス質ボンド
・有気孔構造でありながら高い砥粒保持力
・成形性が高い
電着・単層金属 (ニッケル)ボンド
・大きな砥粒突出し
・台金にならったホイール形状研磨粒としてホイール表面 ホイール中心に固定

ジェイテクトグラインディングツールの主なCBNホイール

ビトCBNホイール 削楽~SAKURA~

当製品では、CBN砥石層を構成する主要要素であるCBN砥粒、結合剤、添加剤の構成を一新しました。多くのお客様に長寿命なホイール性能に加え、形状精度の安定や、研削時間が安定といった使い易さを提供致します。

レジンホイール テラメイト

切れ味に優れたレジンボンドホイール。ボンドのヤング率を高く設定することにより研削時の砥粒の沈み込みが少なく,砥粒突き出し量が確保できるため高能率な研削が可能です。

ジェイテクトグラインディングツールの技術

トヨタグループでの長年のエンジン部品加工の経験を基に、独自のホイール・ドレッサ開発技術を培いました。この技術力を活かして、お客様の具体的なニーズや要望に合わせたホイール・ドレッサの提案を行います。複雑な形状や特殊な材質の加工にも対応できるホイール・ドレッサを開発し、お客様の生産効率や品質の向上をサポートします。

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