ダイヤモンドホイールとは
ダイヤモンドホイールは、ダイヤモンド粒子を主要な切削要素として使用する研削砥石の一種です。このホイールは、SG、WA、GCなどの一般的な砥粒を使用した砥石とは異なり、超砥粒ホイールとも称されます。ダイヤモンドの固さを活かして、超硬合金、アルミナやジルコニアなどのセラミックス、シリコンやSiCなどの半導体材料などの加工に使用されることが増えています。
最高硬度
ダイヤモンドは地球上で最も硬い物質として知られています。この硬さを利用して、工具としての役割を果たしています。化学的には炭素から成り立っており、特定の組織構造を持つことでその硬さを維持しています。
非鉄・非鉄金属に適応
ダイヤモンドホイールは、特に硬くて研削が難しい材料の加工に適しています。しかし、熱に弱く、鉄との化学的な反応により摩耗が進行するため、鉄系の材料の加工には適していません。その代わり、鉄系材料の研削にはCBNホイールが使用されます。
ダイヤモンドホイールの被削材
ダイヤモンドホイールは非鉄・非鉄金属を中心に硬度が非常に高い材料の研削に使用されます。具体的には、以下のようにセラミック、ガラス、石英、宝石などの硬い材料の研削や切断に適しています。
適用素材と加工物
素材名 | 加工物 | |
超硬合金、他 | 超硬合金 | 各種切削工具、金型、耐摩耗部品 |
サーメット、その他 | スローアウェイチップ、その他 | |
セラミックス | アルミナ磁気絶縁材料 | 集積回路基板、被膜抵抗器 |
ニオブ酸リチウム、他電子材料 | メカニカルフィルタ、圧電素子、バブルメモリ | |
炭化ケイ素焼結品、窒化ケイ素 窒化チタニウム等 | バリスタ、アレスタ | |
セラミックス工具 | スローアウェイチップ、その他 | |
ガラス | 光学ガラス | レンズ、プリズム、フィルタ |
板ガラス | 自動車窓、バックミラー、時計ガラス、液晶セル | |
管ガラス | 電子管、半導体外套 | |
石英ガラス | 電子管 | |
貫石・半貫石 | ダイヤモンド | ダイヤモンド工具、焼結体工具 |
サファイヤ、ルビー | 耐摩耗製品、軸受、時計ガラス、シリコンオンサファイヤ | |
水晶 | 振動子 | |
フェライト | 永久磁石用 | モータ、スピーカ用界磁 |
可聴周波用 | テープヘッド、トランス用コア | |
高周波用 | アンテナ、トランス用コア、テープヘッド、偏向ヨーク | |
半導体 | シリコン、ゲルマニウム | トランジスタ、ダイオード、集積回路 |
燐化ガリウム、その他 | 発光ダイオード | |
プラスチック | アクリル樹脂 | プラスチックレンズ |
繊維強化プラスチック | 機会外装、船体、プリント基板 | |
その他プラスチック | ブレーキライニング、時計枠、電子部品 | |
ゴム | 自動車タイヤ | |
金属 | ねずみ鋳鉄 | 機械部品、摺動部 |
超重合金 | 自動巻振子、接点 | |
サマリウムコバルト | 特殊磁石 |
結合剤(ボンド)の種類
研削ホイールの性能は、砥粒だけでなく、それを固定する結合剤(ボンド)にも大きく影響されます。結合剤は、砥粒をホイールの基盤に固定し、研削中の砥粒の保持や放出を制御します。以下は、主な結合剤の種類とその特長についての説明です。
ボンド種 | 構造 | 特徴 |
レジンボンド | ・マトリックス構造 樹脂(フェノール系、 ポリイミド系)ボンド ・砥粒を弾性的に保持し、使用時に当たりがソフト | |
メタルボンド | ・マトリックス構造 金属 (銅、錫など)ボンド ・砥粒を強固に保持 ・耐熱性が高い | |
ビトリファイドボンド | ・ブリッジ構造 ガラス質ボンド ・有気孔構造でありながら高い砥粒保持力 ・成形性が高い | |
電着 | ・単層金属 (ニッケル)ボンド ・大きな砥粒突出し ・台金にならったホイール形状研磨粒としてホイール表面、ホイール中心に固定 |
ジェイテクトグラインディングツールの主なダイヤモンドホイール
半導体ウェーハ用 ビトリファイドダイヤモンドホイール nanoVi
業界最小粒径0.5μmの超微粒ダイヤを均等にする革新製法の開発により、SiCウェーハ研削において優れた切れ味持続性と低摩耗率を両立し、生産性向上に貢献します。8インチSiCウェーハ研削において、表面粗さSa1.2nmの高品位研削を達成しました。
レジンホイール テラメイト
切れ味に優れたレジンボンドホイール。ボンドのヤング率を高く設定することにより研削時の砥粒の沈み込みが少なく,砥粒突き出し量が確保できるため高能率な研削が可能です。
レジンホイール レボメイト
新開発のレボメイトは結合剤と砥粒を刷新。「研削時に後退しやすく、砥粒突き出しを維持する新開発結合剤」「切れ味の持続性が良い高靭性砥粒」「砥粒の加工負荷を均等にする高分散構造」の特長を持ち、SiC、アルミナ、超硬といった硬脆材研削においてドレスインターバル延長を実現し、生産性向上に貢献します。
ジェイテクトグラインディングツールの技術
トヨタグループでの長年のエンジン部品加工の経験を基に、独自のホイール・ドレッサ開発技術を培いました。この技術力を活かして、お客様の具体的なニーズや要望に合わせたホイール・ドレッサの提案を行います。複雑な形状や特殊な材質の加工にも対応できるホイール・ドレッサを開発し、お客様の生産効率や品質の向上をサポートします。
技術資料
限定公開資料も無料でご利用いただけます
動画コンテンツやトラブルシューティングを限定公開しています。
フォームをご入力いただきますと、ダウンロード用のURLとパスワードをお送りします。
なんでも相談室
研削に関するどんなお悩みでもご相談ください。研削加工の技術者が回答します。
テスト加工
お客様の被削材を弊社設備でテスト加工し、研削結果をご報告します。
貸出砥石
砥石の無料貸出を行っております。御社設備でのテスト加工が可能です。