研削加工には研削焼けや表面粗さ、ビビリや過度な摩耗など、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。研削加工における問題とそのトラブルシューティングの方法を紹介します。
ダイヤモンド・CBNホイール |
▶ 表面粗さが悪い |
▶ 研削焼け |
▶ 送りマーク、スクラッチの発生 |
▶ ホイール寿命が短い |
ダイヤモンドドレッサ |
▶ 表面粗さが悪い |
▶ 研削焼けの発生 |
▶ ビビリの発生 |
▶ ドレス中の音が大きい |
▶ 異常摩耗 |
ダイヤモンド・CBNホイール
トラブル状況 | 考えられる原因 | 処置および対策 |
表面粗さが悪い | ホイールのバランス不良 | ホイールのバランスを取る |
研削時の送り速度が速過ぎる、 または切込み量が大き過ぎる | 研削時の送り速度を遅くするか、 切込み量を小さくする | |
クーラント不良 クーラント液を注ぐ位置が悪い | 最適なクーラントを選定する 研削点に直接供給する クーラントろ過装置を改善する | |
砥粒の粒度が粗い | 細かい粒度を選定する | |
ホイールの周速度が低過ぎる | 最適なホイール周速度に変更する |
研削焼け | ホイールの目つぶれ、 または目詰まり | ホイールを十分ドレッシングする ドレッシング時の送り速度を速くする 切込み量を大きくする |
クーラント不良 クーラント液を注ぐ位置が悪い | 最適なクーラントを選定する 研削点に直接供給する クーラントろ過装置を改善する | |
研削能率が高すぎる | 研削時の送り速度を遅くする 切込み量を小さくする |
送りマーク、スクラッチの発生 | ホイール形状崩れ | ホイールを十分ツルーイングする |
テーブル速度が速い | テーブル速度を遅くする | |
クーラント液の汚れ | クーラント液を新しくする クーラントろ過装置を改善する |
ホイール寿命が短い | ホイール仕様が不適切 | 集中度を上げる。粗い粒度を選定する 結合度を上げる |
研削能率が高すぎる | 研削事時の送り速度を遅くする 切込み量を小さくする |
詳しい資料は下記よりダウンロードいただけます
ダイヤモンドドレッサ
トラブル状況 | 考えられる原因 | 処置および対策 |
表面粗さが粗い | 駆動装置の剛性不足 | 駆動装置の軸受剛性を測定する |
ロータリドレッサの回転精度を測定する | ||
ダイヤモンドの摩耗 | ロータリドレッサのダイヤモンド突出置を測定する | |
ドレスアウトタイム不足 | ドレスタイムアウトを長くする | |
クーラント液の汚れ | クーラント液を交換する |
研削焼けの発生 | クーラント液の不足 | クーラント液の量とノズルの方向、位置を調べる |
ドレス条件不適合 | 切込み速度を速くする | |
ドレスアウトタイムを短くする | ||
ドレス量を大きくする | ||
砥石仕様の不適合 | 砥石の結合度を軟らかくする | |
砥石の組織を粗にする | ||
ロータリドレッサ仕様の不適合 | ダイヤモンドの突出量を調べる | |
ダイヤモンドの分布密度を粗くする (石抜き、ヘリカル溝を入れる) |
ビビリの発生 | 振動 | 駆動装置の軸受剛性を測定する |
駆動装置の送り装置の剛性を測定する | ||
砥石回転数とロータリドレッサの回転比を調べる | ||
砥石軸とロータリドレッサの回転精度を調べる | ||
ロータリドレッサの駆動力の強化を図る | ||
砥石のバランスを調べる |
ドレス中の音が大きい(連続音) | 砥石とドレッサのアンバランス | バランスを調べる |
ドレッシング抵抗の過大 | 切込み速度を遅くする | |
相対速度を速くする | ||
ドレス中の音が大きい(断続音) | 駆動装置の剛性不足 | 剛性を調べる |
ドレッシング抵抗の過大 | 切込み速度を遅くする | |
相対速度を速くする |
異常摩耗 | クーラント液の注水不足 | クーラントの量とノズルの方向、位置を調べる |
作用点に注水されているか調べる | ||
ドレス条件不適合 | 切込み速度が過大でないか調べる | |
切込み量が過大でないか調べる | ||
砥石仕様の不適合 | 砥粒の種類を調べる(WA,GC) | |
結合度·組織を調べる | ||
振動発生 | ドレッサ駆動装置、送り機構の剛性を測定する | |
砥石軸の剛性を測定する | ||
砥石のバランスを調べる |
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